島津鉄道でしょう。

鉄道模型(Nゲージ)関連で製作したもの等々


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マイクロエース製品のチューニング その3

続き

マイクロエース製品不買運動でも計画しようかと考え始めて数日後、ふと、接点グリスの存在を思い出していた。



接点グリスとは、ラジコンカー等でよく使われる物で、わずかな接触だけで繋がっている接点にそれを塗ると、衝撃等で発生する離線を防止することが出来る。

しかしこれをそのまま車輪に塗布してしまえばレールに飛び散る可能性も有り、線路を敷いた部屋や固定レイアウトを汚してしまうリスクがある。常に回転運動を起こす部位である為、小まめな再塗布も必須となってくるだろう。

もっとドライで都合のいい物はないだろうか、そう思い接点グリスの代わりになりそうな物を探していると、ナノカーボンというキーワードにたどり着いた。

 





ナノカーボンとはナノダイヤモンド粒子を用いた通電改善剤であり、電気の接点に薄く幕を張るように塗れば微細な凹凸のあった金属表面同士を滑らかに接続し、接点面積を大きくとることができ、接点不良を改善できるらしい。

もっと分りやすい説明だと、ファミコンでゲームを始める際、カセット下に息をいくら吹きかけてもなかなかゲームが始まらない時、カセットの金属端子を鉛筆を使って黒くなるくらいにこすると一発でゲームが始まる、ということだそうで…。

……

それを聞いてピンときた、やはり打開策はナノカーボンなのだと。

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作業台にマイクロエース製の京急旧1000形をいくつか並べ、台車を分解する。
そして机の上にあった黄緑色の鉛筆を手に取る。

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「ナノカーボーーン!」と叫びながら集電シューの窪み2箇所をそれぞれ鉛筆の先っぽでぐりぐりする。無我無心にぐりぐりする。

ぐりぐりし終わったら次の集電シューに持ち替えさらにぐりぐりする。それを全ての台車についている集電シューに行う。

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とりあえず動力車を除く3両分が終わったので部屋の固定レールに載せ試走させる。すると施工済み車両からのちらつきは全くなくなり坂道ではモーターの異音もなく、空転も全く起きていない。
これならいける!と思いまた集電シューをぐりぐりする作業に戻る。

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ぐりぐりする作業が全て終わり、またファイントラックR280のお座敷楕円レイアウトを広げ、試走させてみる。

すると室内灯のちらつきも気になるほどでは無くなり、カーブできつそうな感じもない。他の所有する車両と比べても違和感も無い状態である。
そのまま一時間近く連続走行させて問題も発生せず、この時点で不満もないレベルに達していることからこれで旧1000形の調整を完了することにした。

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今回古い代物ながらマイクロエース製品を手にし、見た目以外の部分でのあまりの不出来に
落胆しかけていたものの、なんとか手持ちの道具で不満のないレベルへの改良に成功した。

おそらく車輪もきっちりコンパウンドで磨き、仕上げに鉛筆の芯を集電シューにこすり付ければ
KATO製の物にせずとも綺麗に回転し通電も問題なく出来るのかもしれない。京急旧1000形
以外のマイクロエース製品にどこまで通用するかはわからないものの、構造的に似通って
いれば試す価値はあると思う。

 

おわり