島津鉄道でしょう。

鉄道模型(Nゲージ)関連で製作したもの等々


    ◆ 既製品の改造は全て自己責任で行いましょう。     

マイクロエース製品のチューニング

2000年代前半頃のマイクロエース製品については何かと不満な声を耳にする。
分解してみたら中身がさびているとか、買ったばかりなのに動力車不動だとか散々である。

しかしどんだけ酷くともグリーンマックスほどではないだろうと、自分自身高をくくっていたのだが、最近になってようやくそれが間違いだと言うことに気づかされた。

f:id:xot:20140530032819j:plain

Micro Ace  動作不良 不都合 故障 改良 調整 接点 集電 ちらつき 整備

 

このマイクロエース製の京急旧1000形はとあるリサイクルショップにて発見した品である。
ぱっと見では大きな不都合も無く、TNカプラー取り付け済みで動作チェック無しの代物であるが、そのショップの地元を走る電車でないこともあり、諭吉さん一人でおつりがくるいい感じのお値段であった。

何かしらのいわく付きかと暫く悩んだが、モーターが動かなかったら換装すればいいやと自分に言い聞かせながら、思い切って購入してみた。

家に帰ると早速動作チェック。通電がうまく出来ないようであるが、ライト、モーターともとりあえず生きていた。とはいえラピットスタート気味であったことと、たまたまモーターが余っていたこともあり、小耳に挟んだTOMIXモーターへの換装をすることにした。

f:id:xot:20140530034117j:plain

TNカプラーが装着され、車輪は全体的に汚れていないことから、以前の所有者はあまり走らせていなかったと思われた。が、いかんせんこの動力車の中が錆だらけという状況は唖然とならざるを得ない。
風の噂によると新品として店頭に並んでいた時点からこういう状況であるらしい。しかたなくコンパウンドで電気の接点となる場所を中心に磨いていく。

Tomix製M-5(type1)モーターへの換装は軸パーツを引っこ抜くくらいの手間ですっぽりと収まってくれた。念のためモーターシャフトをニッパーで切り取り短くしてみたが、元々プラシャフトには余裕があったため、やる意味があまり無かった。


動力車を組み立てると部屋の固定レールで数両を連結させ試走させる。ところが妙に脱線しやすくなっている。
色々調べてみるとどうも台車とTNカプラーパーツが干渉して、うまく台車の首が動けない様子である。なので台車とTNカプラーパーツの干渉する部分をカッターを使い最低限の範囲で削ってみる。

f:id:xot:20140530032909j:plain


脱線も少なくなった所で各所をLED化することに。マイクロエース製の京急旧1000形はプリズムの関係で急行灯が赤一色に固定となっていた。せっかくの8両編成セットなので、SH快特を再現すべくなんとか急行灯を光らせることは出来ないかと考えてみた。

最初は強めの緑ないし白の超高輝度LEDで強引に光らせる事を考えたが、うまく行きそうにはなかった。そこで、急行灯専用ライト基板と透明プリズムをそれぞれ新規で自作する方向でやれないかを考えた。

f:id:xot:20140530032915j:plain


まず目に付いたのは100均で売られている綿棒の半透明プラ容器であった。筒状のケースの壁面を利用したため、若干反った形になってしまったが、手でうまく平らにし、ライト間隔の寸法を意識しながら加工して、赤いプリズムの代わりに車両にはめてみる。

f:id:xot:20140530032850j:plain


急行灯用のライト基板は新しく別に用意し車両の床パーツを切り抜いた空間に取り付ける。

f:id:xot:20140530152518j:plain


半透明なのがいい感じに光の乱反射を起こすようで、綺麗に光ってくれたので一安心。
急行灯用のスイッチを作るのはめんどくさく大師線を再現する機会もあるかもしれないということで、とりあえず三崎口方面だけの改造となった。

f:id:xot:20140530034727j:plain


その後室内灯も自作し組み込んでみる。しかしながら、組み込んだ車両を軽く走らせみるとちらつきがどうもよく発生する。仕方ないので電気の接点となるポイントを中心に全車両の集電板、集電シュー、車輪等のちらつきの原因となる部分全てをコンパウンドで磨いていくことに。

スプリングについては小耳に挟んだレモン汁付けを試しにおこなってみた。
なにやら酸化銅を元の綺麗な状態に戻せるらしいのだが、スプリングに付いていた汚れは残念ながら酸化銅ではなかったらしく、暫くレモン汁につけ置きしていたら逆に黒ずみが激しくなり光沢が失われてしまった。

f:id:xot:20140530032914j:plain


仕方なくスプリングは、集電板、集電シューに接する部分だけコンパウンドで磨きそれで
終わりにした。

f:id:xot:20140530032916j:plain


最後にIPAで集電パーツ全体を濡れ拭きしてから組んでいき試走させる。すると今度は車両の転がり具合が気になってきてしまった。どうも部屋の固定レールの坂では4両編成が限界であるようだ。集電シューの形状的に不利であるはずのTOMIX製400系新幹線の7両編成でも難なく走れる勾配であるのだが…。

f:id:xot:20140530032917j:plain


その後、ファイントラックR280のお座敷楕円レイアウトを広げ、そこでも試走させてみたが、やはりカーブできつそうな感じ。しかも8両編成でしばらく走らせているとどんどん調子が悪くなりついにカーブ途中で空転を起こし止まってしまった。試走開始当初は気にすらなっていなかった室内灯のちらつきも何故か再発する始末。

TOMIXやKATO製品というぬるま湯に漬かっていた自分が、マイクロエースという悪夢の存在に気付いた瞬間であった。

つづく→マイクロエース製品のチューニング その2