鉄道模型のジャンク品を買って後悔する
先日ふと立ち寄った、お宝だの鑑定だのという中古ホビーを扱う大きな
お店にて格安のジャンクNゲージを発見した。
TOMIX 92042 JRキハ84、83形フラノエクスプレス
パッケージからして四半世紀近く前の製品なのだろうか。
¥1500-というNゲージ車両セットらしからぬ数値が書かれた値札の横には、
モーター不動とのメモ書きがある。
値段からして相当な状態なんだろうなと思いながらも、店員に声をかけ
中身を確認させてもらう。するとやはりそれなりにボディは汚れていた
ものの、手荒に扱ったかのような外装の傷や部品の欠損は、さっと見た
感じでは無さそうであった。
ライトはどうせ作り直すつもりだし、問題は動力だけだろうということで、
手持ちのジャンク車両からのドナドナや、最悪パーツの自作でどうにか
なりそうな気がしたので、動作チェック無しでも購入することにした。
ジャンク品を買う時に当然意識しなければいけないことは、やはりそのまま
では普通に遊ぶことはできないということだ。
ジャンクでも買おうと思う人は、そのジャンク品を手間暇たくさんかけて
元の状態まで修復するか、それをベースに別なものを作り上げるか、部品どりに
するかのどれかであろう。
とりあえず今回はまず分解清掃をし、必要箇所で修復しながら新品だった頃の
状態まで出来る限りで近づけることにした。手始めにボディの汚れを落とす
作業にかかった。
車体表面全体にこびりついてる汚れはまずスーパーや薬局などで普通に
売られている食器洗い洗剤で落としていく。
水で薄めた洗剤液を綿棒につけて擦っていく。簡単には落ちない汚れは
原液ちょいつけで強めで擦っていく。
中間車のボディは何度も取り外をしていたせいか歪が激しく、動力車に
至ってはシャーシに引っかかることなくするりと外れてしまう。
仕方ないので十分汚れを落とした後、重しを使って側面がまっすぐに
なるように調整していく。
一部窓ガラスパーツが欠けてたが、手持ちのジャンク車両から部分的に
パーツを切り取り、とりあえずではめていく。
車体に貼られていたシールは半分近くが剥がされ、しかも一部間違った
張り方をされてたりもしている。仕方ないので残されたシールだけでも
正しい場所へ糊を使い張り直していく。
次に動力である。とりあえず動力車の車輪を軽く磨き、通電させてみるが
モーターが回る気配が全く無い。
やはりモーターが終わってしまっているのだろうか、そう思いモーターを
取り外そうとカバーを見ると、何度も開閉されていたせいか、カバーの
爪がところどころ欠けており、残ったものでもほとんどが曲がってしまって
いる。
細心の注意を払いながらカバーを外しモーターを取り出すと、導電クリップで
モーターに直接電気を流す。すると勢いよくモーターが回り始める。
どうやらモーターはかろうじてながら生きていたようだ。
後は電気の導線をきっちり磨いていくだけである。接点を中心にコンパウンドで
磨いていく。
要所要所で小一時間磨いた後再び組み立て動力車を動かしてみる。しかし
ながら一向にモーターが動く気配が感じられない。
違和感を感じたのでテスター等を使い集電板の電気の流れを追ってみると、
何かの部品が足りてないのだろうか、どうも今の状態のままではモーターまで
電気がいかないようになっている。
たまたま手持ちに同じ会社のスプリングウォーム仕様の動力車があったので、
一度そちらを分解し、見比べてみる。
やはり通電に必要な部品が欠損していた。モーターが動かない原因はダイ
キャストに取り付ける導電用のスプリングが無くなっていたからだった。
サイズ的に台車向けの集電スプリングではダメそうだったので、アーノルド
カプラーでよく使われるカプラースプリングで代用し、組んで試走させてみる。
すると見事にレールの上を車両が走り始めた。
しかし動作はしたもののやはり古い型の車両であり、ウォームギアもスプリング
構造となっているせいもあって、動作音がひどい。
しかも本来ならギアケースにまんべんなくグリスが詰められているはずが、
前のユーザーさんはなぜか一滴残らずグリスを拭き取ってしまっており、
そのまま車両を走らせるとギギギとかなり大きな音を発生させてしまう。
仕方ないので、ミニ四駆キットに付属されているグリスを使いスプリング
ウォームに接する部分を中心にまんべんなく塗りたくっていく。
その他動力車の車輪ゴムを手持ちの新品に交換し、修復作業を終了した。
車両に張り付けられていたシールが足りてないものの、それはいずれ代用品を
入手して貼り付けなおす予定である。