何としてでも鉄道模型のジャンク品を買って、後悔する
先日ふと立ち寄った、親切丁寧な安心買い取りで有名な大手リサイクル
ショップにて、安いんだか高いんだかよく分からないジャンクNゲージを
発見した。
¥1080-と書かれた値札シールはボディに直接張られており、値段の下に
「動きません」の一言が添えられている。
ちょっと気になったので、店員にショーケースを開けてもらい状態を
確認すると、ボディには目立った傷や汚れは無さそうであった。
ライトはそもそも無いし、問題は動力だけなのだろうが、前回、前々回の
事もあり、あてもなくコレの動力を治してみないか? と、ふと考え、
動作確認無しで勢いで購入してみた。
ジャンク品を買う時に当然意識しなければいけないことは(以下略
ジャンクでも買おうと思う人は(以下略
とりあえず今回は動作チェックの後分解し、必要箇所で修復しながら
新品だった頃の状態まで出来る限りで近づけようと奮闘するが、最終的に
手の打ちようもなく、修復断念!
やむなく他の車両へドナドナする為のパーツ取り車として保管する。
といったプランで行くことにした。
手始めにレールの上に乗せ電気を流してみるが、当然車両は動かない。
ボディを外し座席パーツの導電板に直接電気を流しても同じであった。
やはりモーターそのものが逝ってしまわれたのだろうか?
手の打ちようもなく修復断念!、という結果に期待する間もなく
モーターを取り出すことに。
モーターを取り出し端子に直接クリップをつける。
電源を入れボリュームを大きくしていっても、そのままでは動く気配は
なかったが、シャフトを手で軽く回すと、エンジンを押し掛けされたかの
如く勢いよくモーターが回り始めた。
これはモーター内のブラシ接点をきれいに清掃すればよくなるのかも
しれない。そう思って、モーターの隙間からエアダスターをまんべんなく
吹き付けてみたものの、さもタミヤのタッチダッシュモーターを思わせる
押し掛け必須状態から一向に改善しない。
仕方ないので、このモーターを一度分解することにした。
コミテーターとエンドベル内、ブラシの役割を果たす円柱カーボンを中心に
カーボンすすを綿棒で出来る範囲で取り除く。その後、清掃作業が終わって
再度組み立てようとするが、思うようにモーターを組みあげることが出来ない。
色々と試行錯誤をした結果、モーターを組み立てる手順があることが分かった。
手順は、
①ローターとマグネット固定パーツをハウジング内に収め
エンドベルをつける
②2つのマグネットをハウジングの隙間からねじ込む
③2つのターミナル&ブラシパーツを円柱カーボンがずれないよう
エンドベルにはめこむ
といったところ。
なんとかモーターをもとの状態に組みなおし、電気を流してみる。しかし
それでも先ほどと変わらずの状態であった。
ブラシ接点がだめならコア(コイル)に問題があるのだろうか
再びモーターを分解し、コミテーター間の通電状態を調べることにした。
5つあるコミテータをそれぞれ通電させ調べた結果、1か所だけどことも
通電してない場所を発見する。しかしながらコアやコミテータの周りを
さっと見てみたが、どこが断線しているのか全く分からない。
もし焼き切れているのだとしたら、コアのコイルを巻きなおさないと
いけないだろう。しかし細い銅線で細かい作業が面倒だろうし、たとえ
巻き直せたとしても精度の問題でローターの重心位置がずれ、ひどく
唸るようになるかもしれない。
これは完全にお手上げか?
そしてやむなく他の車両へドナドナか?
ついに鉄道模型のジャンク品を買って、初めての後悔となるのか!?
そんな期待をよそに。もう一度コアとコミテータを中心に念入りに
調べてみる。するとコミテータとコイルの銅線をつなぐ接点に半田の
ような鈍い銀色の塊が付着しているのが見えた。
まさかそんな都合のいい箇所が断線なんて、と冗談半分な気持ちで熱した
半田ごてをその接点に押し付けてみる。
すると見事にコミテーター間の導線が復活。モーターを組み直して問題なく
回転することを確認した。
再度動力車を組んで試走させると、若干モーターの唸りが大きくなった
気がするが、意識して聞かなければ気にするほどではない。
今回も残念なことにモーター不動の車両を復活させることに成功して
しまった。とはいえ、連結させる車両が手持ちにないので、結局は
他の車両へドナドナする為のパーツ取り車として保管するしかないのだ。